【リード文】
なんとなくイライラする、食欲がない、冷房で体がだるい…。
夏になると、こうした“はっきりしない不調”を感じる人が増えてきます。
中医学では、ストレスや冷え、湿気などの影響で「気(エネルギー)の流れ」が滞ると、体にも心にも不調が現れると考えます。
そんな時におすすめなのが「紫蘇(しそ)」。
今回は、紫蘇の薬膳的な働きや、西洋医学的な視点からのメリット、
さらに夏にぴったりな紫蘇ジュースレシピをご紹介します。
【1章|紫蘇ってどんな働きがあるの?】
紫蘇は、日本でも古くから親しまれているハーブのひとつ。
薬膳の世界では、以下のような性質を持っています。
薬膳的な特徴
- 味と性質:辛味(しんみ)・温性(おんせい)
↳ 辛味は「気をめぐらせる」、温性は「体を内側から温める」働きがあります。 - 帰経(きけい):肺・脾(はい・ひ)
↳ 肺は呼吸や免疫、脾は消化吸収を担当する臓器です。
主な作用
- 発汗解表(はっかんげひょう)
→ 外から入ってきた「冷えや風邪のもと」を汗で追い出す働き。風邪のひき始めにも◎ - 行気寛中(こうきかんちゅう)
→ 気の流れを整え、ストレスや緊張でこわばった胃腸をやさしくゆるめる働き。
中医学の専門用語をやさしく解説
用語 | 意味 | かんたんに言うと… |
---|---|---|
気(き) | 生命エネルギー、体と心をめぐる力 | 血液と同じように「流れるもの」 |
行気(こうき) | 気をスムーズに流すこと | イライラ・ため息・胃のつかえをやわらげる |
寛中(かんちゅう) | 緊張をゆるめ、胃腸を整えること | ストレスでお腹が張る人におすすめ |
解表(げひょう) | 外からの風邪などを体の外へ出す働き | 初期の風邪、冷えに対応 |
【2章|こんな不調があれば紫蘇の出番】
✔ 胃が張って食べられない
✔ 冷房にあたるとだるくなる
✔ 気分が落ち込んでやる気が出ない
✔ 風邪のひき始めにゾクッと寒気がする
✔ 緊張すると胃がキュッと痛む
これらはすべて、「気のめぐりが悪くなっている」「冷えや湿気が体に入り込んでいる」サイン。
紫蘇には、それらをやさしく整えてくれる力があります。
【3章|西洋医学の視点でも“紫蘇”は理にかなっている】
紫蘇には、科学的にも体にうれしい成分がたくさん含まれています。
代表的な栄養・機能性成分
成分 | 働き |
---|---|
ペリルアルデヒド | 紫蘇の香りのもと。胃腸を活性化し、抗菌作用も◎ |
ロズマリン酸 | 抗アレルギー・抗炎症作用。花粉症やアトピーにも注目 |
ビタミンK・鉄分 | 血液をサポートし、貧血予防にも◎ |
西洋医学的に見ても、紫蘇は
✔ 胃の働きを整える
✔ 抗アレルギー・抗菌作用がある
✔ 自律神経を整えるような“香りの力”も持つ
と、バランスの乱れがちな現代人にうれしい効能がそろっています。
【4章|すっきり!紫蘇ジュースの作り方】
🍹赤紫蘇ジュースレシピ(保存もできる)
材料(約1リットル分)
- 赤紫蘇の葉:200g
- 水:1リットル
- きび砂糖:150〜200g(お好みで)
- クエン酸またはレモン汁:大さじ1〜2
作り方
- 赤紫蘇の葉をよく洗い、茎を除く
- 沸騰したお湯に紫蘇の葉を入れ、10分ほど煮出す
- 紫蘇を取り出し、煮汁に砂糖を加えて溶かす
- 最後にクエン酸またはレモン汁を加えると、きれいな赤色に!
- 冷蔵庫で冷やし、水や炭酸で割ってどうぞ
薬膳的にも嬉しいポイント
- 紫蘇:気のめぐりを助け、胃腸と心をゆるめる
- クエン酸・レモン:疲労回復、代謝促進
- 甘味:中医学では「緊張をゆるめる味」。疲れた時にも◎
【5章|まとめ|紫蘇は“気・胃・心”を整えるハーブ】
紫蘇はただの香味野菜ではありません。
気の巡りを助け、ストレスでこわばった体をゆるめ、
冷えや風邪の入り口で守ってくれる、頼れる薬膳ハーブです。
「最近、調子が出ないな…」そんな日こそ紫蘇の出番。
自分にやさしい1杯で、内側から整えてあげましょう。
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