■ 要点
しゃべるたびにしみる、食べ物がしみてつらい、しかも何度も繰り返す。
それ、ただの“口の傷”ではないかもしれません。
実は口内炎は、体の中で起きている“炎症”や“バランスの乱れ”のサイン。
西洋医学では「免疫」や「栄養」、中医学では「熱」「潤い不足」として捉え、根本改善を目指します。
この記事では、現代医学×中医学の視点から、原因・タイプ別の対策・おすすめ食材・日常ケアのヒントまで丁寧に解説します。
■ この記事でわかること
- 口内炎ができる意外な原因
- あなたの体質と「口内炎タイプ」診断
- 中医学で行うタイプ別の対処法
- 食養生・日常ケアのポイント
【1】口内炎ってどんなもの?なぜできる?
◆ 代表的な症状
- 口の中の白い潰瘍(アフタ性口内炎)
- 舌や頬、唇の裏にできて痛い
- 食べ物がしみる、話しづらい
- 1週間〜10日ほどで自然に治るが、繰り返しやすい
◆ 現代医学での主な原因
- 栄養不足(ビタミンB2・B6、鉄、亜鉛)
- 疲労・睡眠不足・ストレス
- 免疫力の低下
- 口の中の傷・義歯の刺激
- ウイルス感染(ヘルペスなど)
【2】中医学で見る「口内炎」=内熱や潤い不足のあらわれ
中医学では、口内炎は「上焦(口・舌まわり)に熱がこもった状態」と捉えます。
◆ 口内炎のタイプ別分類(中医学)
タイプ | 主な特徴 | よくある症状 |
---|---|---|
胃熱(いねつ) | 暴飲暴食、脂っこいもの・甘いもの | 舌が赤い、のどの渇き、吹き出物も出やすい |
心火(しんか) | ストレス、怒り、寝不足 | 舌先の炎症、動悸、イライラ |
陰虚火旺(いんきょかおう) | 体の潤い不足、更年期・疲れ | ほてり、寝汗、口の乾き、夜に悪化 |
気虚(ききょ) | 胃腸虚弱・慢性疲労 | 口内炎が治りにくい、だるさ、食欲不振 |
【3】あなたはどのタイプ?セルフチェック診断
以下のチェックに当てはまる項目が多いタイプが、あなたの体質に近いかもしれません。
✅ 辛いもの・油ものが多い → 胃熱タイプ
✅ イライラしやすく寝不足ぎみ → 心火タイプ
✅ 慢性的な疲れ・加齢を感じる → 陰虚タイプ
✅ 冷え性で体力がない → 気虚タイプ
【4】食養生で整える「口内のバランス」
中医学では、「熱を冷ます」「潤いを補う」ことで、口内炎の根本改善を目指します。
目的 | 食材例 | ワンポイント |
---|---|---|
熱を冷ます | きゅうり、トマト、緑茶、苦瓜 | 生で食べると効果アップ |
潤いを補う | 白きくらげ、はちみつ、梨、豆乳 | 温めて摂るのが陰虚さん向き |
胃腸を補う | 山芋、かぼちゃ、なつめ、黒ごま | 冷えがある人は煮込むと◎ |
【5】口内炎を防ぐ生活習慣7つのポイント
- よく噛んで食べる(粘膜の修復を促進)
- 睡眠時間を確保する(自律神経の安定)
- ストレス解消法を見つける(深呼吸・散歩)
- 暴飲暴食を避ける(胃熱をためない)
- 辛いものやアルコールを控える
- 舌や頬を傷つけないようにゆっくり食べる
- 口腔内を清潔に保つ(うがい・歯磨き)
【6】まとめ|「口内炎」は心と体のバランスのサイン
口内炎は、「今の生活、少し無理していませんか?」という体からのメッセージ。
西洋医学の視点では栄養と免疫力、中医学では「熱」と「潤い」がカギになります。
痛いからと言って、市販薬で治すだけでは根本は改善しません。
食事・生活・心のバランスを整えることが、くり返さないための一歩です。
小さな口のトラブルが、今の自分と向き合うチャンスになるかもしれません。
