【リード文・要点まとめ】
初夏の旬果「びわ」は、甘くてジューシーなだけじゃないんです。
薬膳の世界では、びわは肺と胃に働きかける“潤いの果実”。
咳、のどの渇き、夏バテ…そんな不調に優しく寄り添ってくれます。
今回は、果実だけでなく葉(枇杷葉)の効能も含め、薬膳的な視点からびわの魅力をお届けします。
【1】びわの基本情報と薬膳的な特徴
● 性味と帰経
- 性:涼性(熱を冷ます)
- 味:甘・酸
- 帰経:肺・胃
● 主な効能
- 清熱潤肺(肺の熱を冷まし乾燥を潤す)
- 和胃止嘔(胃を整えて吐き気を抑える)
びわは体にこもった余分な熱を取ってくれます。
また、のどの渇きや空咳が出やすい人、夏バテや食欲不振にもぴったり。
【2】枇杷の葉(枇杷葉)にも注目
びわの葉は「枇杷葉(びわよう)」と呼ばれ、生薬としても使われてきました。
民間療法として「枇杷葉茶」も有名ですよね。
● 効能(枇杷葉)
- 清肺化痰(肺の熱と痰を取り除く)
- 降気止嘔(吐き気を下げて止める)
- 清熱解暑(暑さによる熱を冷ます)
暑がりでのぼせやすい方や、痰の多い咳、胃熱による吐き気のある方におすすめです。
【3】おすすめの食べ方・組み合わせ
✔︎そのまま食べる以外にも…
- コンポートやジャム
- ヨーグルトに添える
- 薬膳ゼリーに
✔︎薬膳的に相性の良い食材
- 白きくらげ:潤いをさらに補い美肌にも◎
- 陳皮(ちんぴ):胃腸を整え、気の巡りを助ける
- ハトムギ:余分な湿をとり、むくみ対策に
【4】注意点
- 未熟な実や種にはアミグダリン(青酸配糖体)が含まれるため、必ず完熟した実を食べましょう。
- 枇杷葉をお茶にする場合は、市販の加工済み茶葉が安心です。
【まとめ】
びわはただの季節の果物ではなく、肺と胃にやさしい「自然の潤い薬」。
初夏に感じやすい空咳・のどの渇き・夏バテ・胃のムカつきにも活躍します。
旬のびわを、美味しく、そして薬膳的に取り入れてみてくださいね。
