【要点】
- 甘麦大棗湯とは?:心血虚証に用いられる、心と体の不調をケアする漢方薬。
- 適応症:不安感、イライラ、眠りが浅い、情緒不安定などの心の不調。
- 特徴:甘みがあり飲みやすく、心を穏やかにする。
- 類似薬との違い:抑肝散は肝気鬱結や神経の緊張を緩和する処方で目的が異なる。
1. 甘麦大棗湯とは?
甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)は、
心血虚証に基づく不調をケアする漢方薬です。
心血虚証とは、心を養う血が不足し、心が安定しない状態を指します。
不安感やイライラ、感情の波が大きい時に用いられることが多い処方です。

2. 主な適応症
甘麦大棗湯は、以下のような症状を緩和します:
- 不安感やイライラが強い
- 寝つきが悪く、浅い眠りが続く
- 感情が不安定で涙もろい
- 心が疲れてストレスを感じやすい
特に、精神的な負担を抱えやすい方に適した処方です。
3. 構成生薬とその役割
甘麦大棗湯は、3つの生薬で構成されています。
- 甘草:胃腸を整え、緊張やストレスを和らげる作用。
- 小麦:心を落ち着け、不安や緊張感を緩和する作用。
- 大棗:気を補い、精神と体の疲れを癒す作用。
シンプルな構成ながら、心を癒す効果が高い処方です。

4. 類似薬「抑肝散」との違い
抑肝散(よくかんさん)は、肝気鬱結や神経の緊張を緩和する処方で、以下の特徴があります:
- 抑肝散:肝気鬱結によるイライラや緊張、怒りっぽさを改善。特に子供の夜泣きや神経過敏、過度の興奮状態に用いられる。
- 甘麦大棗湯:心血虚証に基づく不安感や心の疲れに対応。
甘麦大棗湯が「心」に作用するのに対し、抑肝散は「肝」の気の巡りを整えるのが特徴です。
5. 甘麦大棗湯がおすすめな方
- 不安やイライラが続き、精神的な疲れを感じている方。
- 寝つきが悪く、眠りが浅い方。
- 漢方薬が初めてで、飲みやすい処方を探している方。
まとめ
甘麦大棗湯は、
心を穏やかにし、不安感やイライラを緩和する漢方薬です。
特に、心血虚証による精神的不調に悩む方に適しています。
心の健康をサポートするために、
専門家と相談して自分に合った使い方を見つけてみましょう。
