夜が続かない、朝が立たない…

男性養生
― 中医学で考えるEDと改善方法 ―

はじめに:その変化、加齢のせいだけではないかも

「途中で元気がなくなる」
「朝の勃起が減った」
「気持ちはあるのに体がついてこない」

こうした変化は、単に年齢のせいと片付けられがちですが、実は体の血流・ホルモン・心の状態など複数の要因が関係しています。
そして、適切なケアで改善の可能性があるのがED(勃起機能低下)です。

本記事では、西洋医学と中医学の両方からEDの原因と対策を解説し、漢方や生活習慣による改善方法をお伝えします。
パートナーがいる女性にも、大切な人の健康と関係性を守るヒントになります。


ED(勃起機能低下)とは?

EDは「満足な性交が行える勃起を得られない、または維持できない状態」。
日本では40代以上の約4割が程度の差はあれ症状を持つと言われます。


西洋医学で見るEDの原因

EDの原因は大きく4つに分けられます。

  1. 血管性
     動脈硬化、高血圧、糖尿病などによる血流不足。
  2. 神経性
     脊髄や末梢神経の障害(手術後や外傷)。
  3. 内分泌性
     男性ホルモン(テストステロン)の減少。
  4. 心因性
     ストレスや不安、過去の失敗体験による心理的要因。

西洋医学での治療法

  • PDE5阻害薬(バイアグラ・シアリス・レビトラなど)
     陰茎の血流を改善し勃起をサポート。服用のタイミングや食事の影響に注意が必要。
  • ホルモン補充療法(TRT)
     テストステロンの低下が明らかな場合に実施。定期的な検査が必須。
  • 心理療法・カウンセリング
     心因性EDに有効。

中医学で考えるED

中医学ではEDを「陽痿(ようい)」と呼びます。
原因は体質や生活習慣によって異なり、主に次の3タイプに分類されます。

  1. 腎陽虚(じんようきょ)タイプ
     - 性欲低下
     - 冷え性
     - 腰や膝がだるい
     → 年齢・過労・慢性病で「陽気」が不足
  2. 気血両虚(きけつりょうきょ)タイプ
     - 疲れやすく持続力がない
     - 顔色が白い
     → 気(エネルギー)と血の不足
  3. 肝鬱気滞(かんうつきたい)タイプ
     - ストレスでEDになる
     - イライラ・ため息
     → 気の流れが滞ることで性的機能に影響

改善のための漢方薬(例)

※体質によって異なるため、使用は必ず専門家に相談を。

  • 参馬補腎丸
     腎陽を補い性機能や活力をサポート。冷えや疲れを伴うタイプに。
  • 補中益気湯
     気力不足・持続力低下に。
  • 柴胡加竜骨牡蛎湯
     ストレス性EDや緊張によるEDに。
  • 牛車腎気丸
     冷え・腰痛・頻尿を伴う場合。

食事でのサポート

腎を補う食材:黒ごま、山芋、牡蠣、ラム肉、卵、くるみ
控えたいもの:冷たい飲み物、過度なアルコール、過剰な甘い物や油物


生活習慣の見直し

  • 睡眠時間をしっかり確保(6〜7時間)
  • 有酸素運動+筋トレで血流改善
  • ストレスマネジメント(深呼吸・瞑想)
  • 過度な飲酒・喫煙の制限
  • パートナーとオープンに会話する

パートナーができるサポート

EDは男性本人にとって非常にデリケートな問題です。
責めたり比較したりせず、「体のサイン」として一緒に改善に向けて取り組むことが大切。
食事や運動を共にし、安心できる関係を築くことが改善の後押しになります。


まとめ

EDは老化現象ではなく、血流・ホルモン・心の状態などが絡み合って起こる「体のサイン」です。
西洋医学では即効性のある治療が可能で、中医学では体質からの根本的な改善を目指します。

大切なのは早めに行動すること。
生活習慣・食事・漢方を取り入れ、パートナーとともに元気を取り戻す一歩を始めましょう。

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