【要点】
- 女神散の特徴:気血両虚症に適し、血行不良(瘀血)や感情の乱れを改善する漢方薬。
- 適応症状:イライラ、不安、不眠、月経不順、更年期障害など。
- 配合生薬:血行促進、理気作用、補気健脾をサポートする12種類の生薬。
- 類似処方:桃核承気湯(瘀血による便秘や下腹部の張りに適する)。
1. 女神散とは?
女神散(にょしんさん)は、気血両虚症に適応する漢方薬で、特に以下のような症状に効果を発揮します:
- イライラ、不安感、不眠
- 月経不順や月経痛
- のぼせや冷え、めまい
- 更年期障害による心身の不調
血行を促進し、気と血のバランスを整えることで、女性特有の不調を改善します。

2. 女神散の構成生薬と作用
女神散は、12種類の生薬で構成され、気血のバランスを整え、瘀血を解消するのに役立ちます。
血行を促進する生薬
- 当帰(トウキ):血を補い、血行を改善。冷えや痛みを和らげます。
- 川芎(センキュウ):血行促進作用があり、頭痛や生理痛を改善します。
体を温める生薬
- 桂皮(ケイヒ):体を温め、巡りを改善します。
- 丁子(チョウジ):体を温めるとともに消化機能を助けます。
理気作用を持つ生薬
- 香附子(コウブシ):気の巡りを改善し、イライラやストレスを軽減します。
- 木香(モッコウ):気の滞りを解消し、胃腸の働きを助けます。
- 檳榔子(ビンロウジ):気の巡りを促進し、消化不良を改善します。
補気健脾の生薬
- 蒼朮(ソウジュツ):消化器をサポートし、体全体の気を補います。
- 人参(ニンジン):気を補い、全身のエネルギーを高めます。
炎症を抑える生薬
- 黄芩(オウゴン)、黄連(オウレン):炎症を鎮め、イライラやのぼせを軽減します。
補気と調和を整える生薬
- 甘草(カンゾウ):全体の調和を整え、他の生薬の効果を高めます。

3. 女神散と桃核承気湯の違い
女神散と類似処方である桃核承気湯には次の違いがあります:
- 女神散:感情の乱れやストレス、不眠を伴う気血両虚症に適します。
- 桃核承気湯:瘀血による便秘や下腹部の張りに効果的です。
4. 使用時の注意点
- 体質や症状に応じた服用:特に体力が中程度以上の方に適します。
- 妊娠中の服用は要相談:安全のため、医師や薬剤師に確認してください。
- 冷えが強い場合は温かい飲み物と一緒に:効果がより発揮されます。
まとめ
女神散は、
気血両虚症による不調を改善し、血行を促進するとともに、感情の安定をサポートする漢方薬です。
ストレスや月経不順、更年期障害に悩む女性にとって、
心身のバランスを整える助けとなるでしょう♪
