「冬病夏治」という中医学の知恵とは?「冬病夏治」という中医学の知恵とは?
【はじめに】
「冬になると決まって体調が悪くなる…」
「冷え・咳・関節痛など、毎年繰り返している」
そんな方に知ってほしいのが、中医学の知恵「冬病夏治(とうびょうかち)」。
実は、“冬の病気は、夏のうちにケアしておく”という考え方が、古くからあるのです。
今回はその意味や理由、そして今日からできる実践法まで、やさしくご紹介します。
【冬病夏治とは?|中医学の基本】
「冬病夏治」とは、「冬に悪化しやすい病(冬病)を、陽気が最も盛んな夏に治す(夏治)」という中医学の考え方です。
▶︎ 冬病とは?
寒さや冷えに関係する慢性的な不調のこと。
たとえば——
- 冬になると悪化する喘息
- 冷えると痛む関節のこわばり
- 慢性的な冷え性やしもやけ
- アトピーやアレルギー性鼻炎 など
西洋医学では「体質だから仕方ない」とされることも多いこれらの不調ですが、
中医学では「夏のうちに体の根本を整えることで、冬の症状を軽くできる」と考えます。
【なぜ“夏”に整えるの?】
中医学では、自然界のリズム=体のリズムととらえます。
夏は「陽気(ようき)」が最も高まる季節。
つまり、体のエネルギー(気)が外へ向かって活発になる時期です。
この時期に体内の“陽”をしっかり補っておくことで、
→ 冬に起こりがちな“寒邪(かんじゃ)”の影響を受けにくくなる
→ 免疫力や代謝のベースが整う
そのため、夏こそが「冬のための体づくりのチャンス」なのです。
【こんな症状がある人は要注意】
「冬病夏治」が特におすすめなのは、こんな方です:
- 冬になると喘息やアレルギーが悪化する
- 年中冷えを感じる(特に手足)
- 寒くなると関節や腰が痛む
- 体がむくみやすく、代謝が低い
- 胃腸が弱く、季節の変わり目に体調を崩す
もし1つでも当てはまるなら、夏のケアが体を変えるきっかけになります。
【今日からできる「夏治」習慣】
無理なく、日常に取り入れられる夏治の方法をご紹介します。
① 陽気を取り入れる生活習慣
- 朝日を浴びながら深呼吸
- 冷房で冷えすぎないように羽織りを持ち歩く
- 冷たい飲み物を避け、白湯をこまめに飲む
② 夏にぴったりな薬膳食材
- 生姜・にら・ネギ・シナモンなど、体を温める食材を少量取り入れる
- 消化にやさしいものを選ぶ(例:雑炊、スープ)
- 暑くても冷たいアイスや冷麺を控えることがポイント
③ 夏に貼る「三伏灸(さんぷくきゅう)」もおすすめ
「三伏の候(=一年で最も暑い時期)」に背中やツボにお灸をする伝統的な養生法。
近年、日本でも一部の鍼灸院などで体験できます。
【まとめ】
✔ 冬に悪化する不調は、夏のうちにケアするのが中医学の知恵
✔ 陽気が満ちる今こそ、冷えや免疫のベースを整えるチャンス
✔ 白湯・薬膳・お灸など、日常に取り入れやすいことから始めてみましょう
【最後に】
体は、季節とつながっています。
夏の養生は、未来の自分への贈りもの。
「私、毎年冬がつらいんだよね…」と思ったら、
今年の夏はちょっと立ち止まって、“整える”夏にしてみませんか?
できることから、少しずつで大丈夫。
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