中医学からみる更年期

中医学

女性の悩みとして更年期の症状は多いですよね

更年期について知って正しく付き合っていきましょう。

今回は中医学からの視点で更年期についてまとめてみました♪

【要点】

  • 更年期とは?
    女性のホルモンバランスが大きく変化する時期で、特にエストロゲンの減少が中心原因。中医学では「腎虚」や「気血の不足」によるものと考えられる。
  • 更年期の根本原因
    中医学では、エストロゲンの減少は「腎の弱り(腎虚)」と深く関係しており、これが体全体のエネルギー不足や不調を引き起こす。
  • 中医学的な対策
    気血を補い、体を温め、ホルモンバランスを調整する漢方薬や食養生でサポート。

1. 更年期とは?

更年期は、女性が閉経に向かう過程で、

ホルモンバランスが急激に変化する時期です。

通常、40代後半から50代にかけて訪れますが、

体や心にさまざまな影響を与えることがよく知られています。

主な原因はエストロゲンの減少ですが、

中医学では、

これを単にホルモンの問題と捉えるのではなく、

体のエネルギーや「気血」の流れの乱れとして理解します。


2. 中医学の視点から見た更年期の原因

中医学では、

更年期の不調は、体全体のバランスが崩れることによって引き起こされると考えられています。

特に重要なのが、腎虚(じんきょ)という概念です。

1. 腎虚(じんきょ)

中医学における「腎」は、

ホルモンバランスを司る重要な臓器とされ、

加齢に伴って「腎」の機能が低下すると、

エネルギーが不足し、エストロゲンの減少自律神経の乱れが起こります。

これが、更年期に特有の症状、た

とえばホットフラッシュや動悸、めまい、イライラなどを引き起こします。

  • 腎陰虚(じんいんきょ):体の「」(冷静や潤いを保つエネルギー)が不足することで、火照りやのぼせ、発汗、喉の渇きなどが現れます。
  • 腎陽虚(じんようきょ):体を温める「」のエネルギーが低下し、冷えやむくみ、疲れ、腰痛といった症状が出やすくなります。

2. 気血不足

「気」は体を動かすエネルギー、「血」は体を養う栄養です。

更年期には「気血」が不足しがちで、

これが疲労感や肌の乾燥、心身の不安定さを引き起こします。


3. 更年期の主な症状とその原因

中医学的に見た更年期の症状は、

体の内部での「陰」と「陽」のバランスが崩れることで発生します。

具体的には、以下のような不調が現れます:

  • ホットフラッシュ(のぼせやほてり)
    体内の「陰」の不足により、体が過剰に熱を持ち、顔や上半身が急に熱くなったり、汗をかいたりします。
  • 冷え性やむくみ
    「陽」の不足は、体を温める力の低下を招きます。その結果、血流が悪くなり、冷えやむくみが起こりやすくなります。
  • 精神的不調(イライラ、落ち込み、不眠)
    「気血」の不足は、心を安定させる力が弱くなるため、イライラや落ち込み、集中力の低下、不眠が現れることがあります。

4. 中医学による更年期対策

更年期の不調に対して、中医学では「気血」を補い

体全体のバランスを整える方法が取られます。特に、漢方薬食養生が効果的です。

1. 漢方薬の利用

  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう):気を補い、体力を増強します。特に疲れやすい方に適しています。
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):血行を促進し、冷え性や貧血の改善に役立ちます。
  • 知柏地黄丸(ちばくじおうがん):腎陰を補う漢方薬で、ホットフラッシュやのぼせ、汗を抑える効果があります。

2. 食養生

中医学では、日々の食事が体を養う基本とされています。

更年期の体をサポートするためには、以下の食品が推奨されます:

  • 温性食品:生姜やニンニク、ネギなど体を温める食材は、陽虚による冷えを改善します。
  • 血を補う食品:黒ゴマやレバー、ナツメは「血」を養い、疲労回復や美肌効果も期待できます。
  • 大豆製品:大豆に含まれるイソフラボンは、エストロゲンに似た働きをし、ホルモンバランスを整えます。

3. お灸やツボ押し

更年期の不調を緩和するために、

お灸やツボ押しも効果的です。

特に「三陰交(さんいんこう)」という足の内側にあるツボは、

女性の体調を整えるための重要なポイントです。


まとめ

更年期の主な原因はエストロゲンの減少ですが、

中医学の視点では「腎虚」「気血不足」によって引き起こされると考えます。

バランスを整えるために、

日常生活での食養生や漢方薬、適度な運動やお灸などを取り入れることで、

更年期の症状を緩和し、心身の健康を保つことができます。

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