はじめに
最近、
イライラしやすくなった。
寝つきが悪くて、夢ばかり見る。
顔がほてって、目が充血しがち。
そんな“なんとなくの不調”を感じていませんか?
中医学では、
これらの状態を「肝火上炎(かんかじょうえん)」と呼びます。
この記事では、肝火上炎とは何か、
その原因と整え方についてやさしく解説します。

肝火上炎とは?
中医学でいう「肝」は、
気の流れ・感情・自律神経に関係するとされる臓腑です。
強いストレスや怒り、
生活習慣の乱れなどで肝の働きが乱れると
、気の流れが悪くなり“熱”がたまりやすくなります。
その熱が上半身(頭・顔・胸)にのぼる状態を「肝火上炎」といいます。
こんな症状が出たら要注意!
- イライラ、怒りっぽくなる
- 顔が赤くなる、のぼせる
- 目の充血、頭痛、めまい
- 不眠、夢が多い、寝ても疲れが取れない
- 口が苦い、喉が渇く
- めまい感が強いときは、早めの休息とケアを
これらは、肝火が頭部に上昇して熱をもたらしているサインです。
肝火をしずめる漢方薬
🔹 漢方薬の例(体質に応じて選びます)
- 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう):強いイライラやのぼせ、尿トラブルがある場合に
- 加味逍遥散(かみしょうようさん):イライラ・不眠・PMSにも用いられるやさしい処方
- 黄連解毒湯(おうれんげどくとう):のぼせ・赤ら顔・強い熱感がある場合に
※体質により合う処方が異なるため、漢方専門家への相談がおすすめです。

肝火をしずめる生活養生
中医学では、肝火の対策には“巡らせる・冷ます・落ち着かせる”が基本。
🔹 食養生
- セロリ・春菊・しそなどの香り野菜
- 緑茶、菊花茶などの鎮静作用のある飲み物
🔹 行動習慣
- 深呼吸・ストレッチで「気」を巡らせる
- 夜はスマホ・カフェインを控え、リラックスできる環境で眠る
- 夜ふかしを避け、肝が整う23時までには就寝を
まとめ
「肝火上炎」は、がんばりすぎている心と体からのサインです。
怒りっぽくなるのは、自分が悪いわけじゃない。
熱がのぼっているだけかもしれません。
中医学の知恵を知ることで、
自分の状態を“責めずに受け入れ、整える”視点が手に入ります。
まずは、
「私、肝火っぽいかも?」と気づくところから始めてみませんか?
