◆ 冒頭まとめ
ニキビは、毛穴詰まりや皮脂の問題だけが原因ではありません。
実は、体の内側──とくに「ストレス」「血の巡り」「体の熱」と深い関係があります。
この記事では、
- 西洋医学と中医学の両方から見るニキビの原因
- あなたの体質別に合った漢方薬の例
- ニキビを繰り返さないための養生法
をお伝えします。
「何をしてもニキビが治らない」
そんなあなたの肌悩みに、答えが見つかるかもしれません。
◆ 西洋医学で見るニキビの原因
西洋医学では、ニキビは「尋常性ざ瘡」と呼ばれ、次のような原因が考えられます。
原因 | 内容 |
---|---|
皮脂の過剰分泌 | 思春期や生理前にホルモンの影響で増加 |
毛穴のつまり | 古い角質や皮脂が毛穴に詰まりやすくなる |
アクネ菌の増殖 | 詰まった毛穴で菌が繁殖し炎症を起こす |
ストレス・睡眠不足 | 自律神経やホルモンバランスの乱れに影響 |
食生活の乱れ | 甘いもの、脂っこい食事が皮脂分泌を促進 |
スキンケアも大切ですが、体調や生活習慣も密接に関係しています。
◆ 中医学で見るニキビのタイプと体質別アプローチ
中医学では、ニキビは「肺・肝・脾・腎」のバランスの乱れや、「熱・瘀血・湿」などの邪気が肌に現れた結果と考えます。
ここではとくに代表的な3つの体質=「熱盛」「肝火」「血瘀」に焦点をあてて解説します。
①【熱盛タイプ】
▶体内に“余分な熱”がこもり、炎症として出るニキビ
こんな方に多い:
- 顔全体にニキビが出る(特に頬・額)
- 赤くて腫れやすい、膿をもつ
- 暴飲暴食や寝不足が続いている
- イライラしやすく、便秘ぎみ
中医学での解釈:
「飲食の不摂生」や「外界の熱邪」により、体内に“実熱”がこもってしまうと、肺や胃の熱が皮膚に波及しニキビとして現れます。
おすすめ漢方:
- 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
→強い炎症、顔の赤み、のぼせにも対応。熱をしっかり冷ます。
養生法:
- 辛い物・脂っこい物・アルコールを控える
- 緑茶、大根、豆腐、きゅうり、緑の野菜で熱を冷ます
- 睡眠は早めにしっかりとる
②【肝火タイプ】
▶ストレスや緊張が引き金となり、ニキビとして現れる
こんな方に多い:
- フェイスライン〜口元・あごにニキビ
- 生理前になると悪化しやすい
- イライラ、怒りっぽい、不眠傾向
- 目の疲れ、頭痛があることも
中医学での解釈:
「肝」は自律神経やホルモンバランスを司ります。
ストレスで“肝の気”が滞ると、それが“火”に変わり、熱となって肌に吹き出してきます。
おすすめ漢方:
- 加味逍遙散(かみしょうようさん)
→気の巡りを整え、イライラを鎮める。女性ホルモンの調整にも◎ - 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
→ストレス性の炎症ニキビや皮膚疾患に。湿熱や肝火を取り除く。
養生法:
- しその葉、セロリ、緑茶などで「肝」の調整
- 夜更かしやスマホの見すぎを控え、目を休める
- 深呼吸、ストレッチ、軽い散歩で気の巡りを改善
③【血瘀タイプ】
▶血の巡りが滞り、老廃物が溜まってニキビになる
こんな方に多い:
- 繰り返すニキビ、しこりのように硬い
- ニキビが赤黒く、跡が残りやすい
- 冷え性、肩こり、生理不順あり
- 顔色がくすみがち
中医学での解釈:
「血」が滞って“瘀血(おけつ)”になると、肌の再生が妨げられ、ニキビがなかなか治らず、跡にもなりやすい状態です。
おすすめ漢方:
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
→血の巡りを促進し、瘀血によるニキビや生理トラブルを改善
養生法:
- 血流を良くする食材(黒豆、なつめ、生姜、シナモン)
- 湯船につかって体を温める
- 適度な運動、ストレッチを習慣に
◆ まとめ:ニキビは“体の中”を見直すチャンス
顔に現れるニキビは、実は「内臓からのSOS」。
スキンケアや薬で一時的に治っても、また繰り返す場合は、体質に合った根本ケアが必要です。
💡中医学では、「あなたの体に合ったアプローチ」が何より大切。
同じ“ニキビ”でも、原因が違えば使う漢方も食事も変わります。
◆ 最後にひとこと
「肌が変わると、心も変わる」──
ニキビは、体を見直すチャンスです。
今こそ、スキンケアだけでなく、内側からの体質改善を取り入れてみませんか?
